バイオリンを始めたのに、練習が続かない……そのお気持ち、よくわかります。
「よし、バイオリンを始めよう!」と決意して楽器を買った。最初の1〜2週間はあんなに楽しかったのに、気づけばケースを開けない日が続いている……。
そんな経験をされた方、実はとても多いんです。
「自分には才能がないのかな」「意志が弱いだけかな」と自分を責めてしまいがちですが、
練習が続かないのは、あなたの意志の問題ではありません。
私はバイオリン歴30年以上で、子どもからシニアまで幅広い世代に指導をしてきました。
その経験から断言できます。大人がバイオリンの練習を続けられないのには、必ず「理由」があります。そしてその理由がわかれば、必ず解決できるのです。
今日はその「本当の理由」と「今日からできる対策」をお伝えします。
目次
問題の本質:「練習しなきゃ」がバイオリンを嫌いにさせる

多くの方が練習を続けられなくなる根本の原因は、いつのまにか「バイオリンが楽しみ」ではなく「バイオリンが義務」になってしまうことです。
「弾きたい」という気持ちが消えて、「やらなきゃ」という焦りだけが残る。そうなると楽器を持つことすら億劫になってしまうのです。
「練習しなきゃ」と思った瞬間から、バイオリンは義務に変わります。
大人が習い事を続けるためには、「楽しむ構造」を意識的につくることがとても重要です。
特にバイオリンはきれいな音が出るようになるまでに時間がかかる楽器なので、その仕組みを理解しておかないと早い段階で気持ちが折れてしまいます。
原因その1:目標が高すぎる・遠すぎる

「いつかあの曲を弾けるようになりたい」という大きな夢は大切です。しかし、それだけが目標になっていると、毎日の練習の中で達成感を感じにくくなってしまいます。
たとえば「チャルダッシュを弾けるようになる」という目標は、初心者には数年以上かかる場合もあります。毎日練習しているのに全然弾けた気がしない、という状態が続くと、やる気が続かなくなるのは当然のことです。
「弾けた!」という感覚を、できるだけ早い段階でたくさん積み重ねることが大切です。
私が生徒さんに最初にお伝えするのは、「今週の目標は〇〇小節をスムーズに弾けるようにすること」という、小さくて具体的な目標の立て方です。
一週間で達成できる目標が明確だと、練習の方向性が定まり、達成感が生まれます。そしてその小さな達成感が積み重なって、大きな目標へとつながっていくのです。
原因その2:練習の「やり方」がわからない

大人の生徒さんに多い悩みが、「家で何を練習すればいいかわからない」というものです。
レッスンで教わったことを家に帰って再現しようとしても、先生がいないとどこを直せばいいかわからない。なんとなく弾いて終わってしまう。
これは決して怠けているわけではなく、「練習の構造」が身についていないだけです。
「なんとなく弾く」は練習ではなく、ただの音出しです。
たとえば弓の使い方一つとっても、「腕全体を使ってゆっくり弓を引く練習」「弓の先だけを使う練習」「リズムを変えて弾く練習」など、目的別に細分化できます。
こうした構造化された練習法を知ることが、上達への近道になります。
原因その3:練習時間のハードルが高い

「ちゃんと練習するなら1時間は弾かないと意味がない」と思っていませんか?
実はこの思い込みこそが、練習を遠ざける大きな原因のひとつです。
1時間の空き時間がないと練習できないとなると、忙しい日々の中でバイオリンを弾く機会はどんどん減っていきます。
そして「今日も弾けなかった」という罪悪感が積み重なり、ケースを開けることすら億劫になってしまう悪循環に陥ります。
「5分でも弾いたら今日の練習は合格」くらいのルールにするだけで、続き方が変わります。
私も忙しい社会人の生徒さんには「毎日5分だけ弾く」ということをお願いしていました。
5分なら夕食後でも歯磨きの前でもできます。そしてその5分が習慣になったとき、自然と10分、20分と伸びていくのです。継続は量よりもまず「回数」が大切なのです。
解決方法:楽しく続けるための3つの仕組み

仕組み①:「1週間目標シート」を作る
毎週レッスン前か月曜日に、その週に達成したい小さな目標を紙に書いてみてください。たとえば「〇〇の3〜4小節をスムーズに弾けるようにする」「ボウイングを鏡で見ながら5分練習する」など、具体的で小さな目標が理想です。
達成したらチェックを入れる。それだけで「できた!」という感覚が積み重なります。
仕組み②:「ご褒美曲」を必ず弾く
毎回の練習の最後に、うまく弾けなくてもいいので「好きな曲」「弾いていて気持ちいい曲」を必ず1〜2分弾く時間を作りましょう。
練習の終わりが「楽しい時間」で終わると、次の練習へのモチベーションが全然違います。私自身も今でも、練習の最後には必ず自分が好きな曲を弾くようにしています。
仕組み③:練習日記をつける(3行でOK)
毎日の練習後に、「今日弾いたこと」「うまくいったこと」「明日試したいこと」を3行だけ書く習慣をつけてみてください。
振り返ることで上達の軌跡が見えてきます。「1ヶ月前の自分より確実にうまくなっている」という実感が、続ける力に変わります。
今日からできる具体的なアクション

難しく考えなくて大丈夫です。まずは今日、次の3つだけ試してみてください。
1. バイオリンケースを目につく場所に置く
クローゼットの奥にしまっていると、存在自体を忘れてしまいます。リビングの目立つ場所に置くだけで、「あ、今日少し弾いてみようかな」という気持ちが生まれやすくなります。
2. 今週の目標を1つだけ決める
「今週は開放弦をまっすぐ弾く練習を毎日5分する」など、シンプルすぎるくらい小さな目標でOKです。小さくて確実に達成できる目標を積み重ねることが、長期的な上達につながります。
3. 5分だけ弾いてみる
今すぐケースを開けて、5分だけ弾いてみてください。何を弾くか決まっていなくても大丈夫。ただ音を出すだけでも、「弾いた」という感覚が体に残ります。
大切なのは「うまく弾く」ことではなく、「毎日少しでもバイオリンに触れる」ことです。
まとめ:続けられる仕組みを作れば、必ず上達できる

バイオリンの練習が続かないのは、意志が弱いからでも才能がないからでもありません。
目標が大きすぎる、練習の仕方がわからない、練習時間のハードルが高い——この3つの原因を一つずつ解消していくだけで、バイオリンとの向き合い方がガラリと変わります。
「上達できない大人」よりも「続けることをやめてしまった大人」のほうがはるかに多いでしょう。
でも続けさえすれば、必ず弾けるようになります。
どうか「続けられない自分」を責めないでください。そして今日から、小さな一歩を踏み出してみてください。
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あなたのバイオリンライフを、心から応援しています。

