突然ですが、
「イップス」と呼ばれる症状はご存じでしょうか。
イップス (yips) は、主にスポーツの動作に支障をきたし、突如自分の思い通りのプレー(動き)ができなくなる症状のことである。
(引用:Wikipedia より)
プロ・アマ問わず、ゴルフや野球・テニスなど様々なスポーツ、ダーツや楽器演奏など幅広い分野でイップスの症状に頭を悩ませている方々がいらっしゃいます。
プレッシャーによる極度の緊張から、無意識のうちに筋肉の硬化が起こり、思い通りのパフォーマンスが発揮できなくなるといった心理的症状です。
そんなわたしも長年、イップスの症状に悩まされてきましたが、
現在は仕事で人前で演奏をする際にもイップスの症状が現れることはなくなり、自分自身の気持ち・メンタルといい状態で向き合うことが出来るようになりました。
本記事では同じようにイップスの症状で悩まれている方のちょっとした心の栄養になれるような体験をお伝えできればと思います♩
・人前に立つと緊張する…
目次
イップス…どのような症状が起きた?
初めて「イップス」と思われる症状が現れたのは高校生の時でした。
演奏会でド派手~に失敗してしまったんですね。
当時のわたしは情けないくらいに納得のいく演奏が出来なくて、この場から消えてしまいたい…というくらいにショックで泣いて帰ったのを覚えています。
それからというもの、
「またあんな失敗をしてしまったらどうしよう…」
「またかっこ悪い姿を晒してしまったらどうしよう…」
という思いが心の中から消えず、
みんなに見られるステージの上で演奏をする…といったことにちょっとした恐怖感を感じるようになっていきました。
そうなると、本当に不思議なことに自宅での練習や家族の前で演奏している時には起こらないような現象がステージの上で現れるようになりました。
「右手が硬直して動かない…!」
ヴァイオリンを弾かれる方ならお分かりになるかと思うのですが、右手が柔軟性を失うと致命的です。
「こんな演奏がしたい!」という想いとは裏腹に、いう事のきかない右手。
どうしたらいいのか分からなくなっていきました…。
どう対処した?
高校生の時に初めてこのような症状が現れてからというもの、
その後も極度の緊張を味わう度に、このような症状が数年に渡り続きました。
どうにかしたいのに自分の力ではどうしようも出来ないもどかしさ…。
この「イップス」の症状を考慮してわたしが取った行動は、
少し近すぎていたヴァイオリンとの距離をとったことでした。
毎日弾いていたヴァイオリンをしばらく弾かない時間を設けたり、気分転換に自分の弾きたい曲だけを弾いてみたり…。
また、進学や就職を考えていた時期でもあったため、夢だった幼稚園教諭になるか音楽をもうしばらく専門に続けていくかの選択では自分のこのような症状も考慮して幼稚園教諭になる道を選びました。
しばらく離れてみることや新しい環境で多くの経験や学びを積むことで視野が広がり、人として少しずつ成長できたことで、自分自身の中にあった変なプライドや考え方が変わっていきました。
すると、以前のような体の硬直が不思議と少しずつ現れなくなっていきました。
これだけは伝えたい!イップスの経験から学んだこと
「イップス」は当時のわたしにとって大変辛く、どうしたらいいものか全く分からない状態でしたが、その経験から学んだこともたくさんありました。
- 人と比べてもしょうがないことは比べない
- 失敗したところで死にはしない
- どんな人間でありたいかを考える
人と比べてもしょうがないことは比べない
生まれ育った環境やセンス・能力・性格は人それぞれ。
当時は周りの人と自分を比べて息苦しくなることがありましたが、そんなことを比べてもしょうがありません。
何もかも最初から、前提が全く違います。
「違い」という部分的な事実だけを見るのではなく、もっと物事を広い視野で捉えるとその「違い」も愛しく思えてきたりします。
自分のいいところ、素敵な部分を自分自身が認めてあげられるようになると心がフッと軽くなります。
失敗したところで死にはしない
当たり前ですが、失敗したところで死にません。
当時は「失敗したら恥ずかしい…」「間違えるわけにはいかない」といった謎の固定観念があり、そのことで自分自身を苦しくしていましたが、他人はそれ程見ていませんし、気にしていません。笑
仕事柄、子どもたちが失敗しながら成長していく姿を間近で見ていると、
今となっては「失敗の何がそんなに恥ずかしかったんだろう…」と思います。
大人だって失敗しながら学んでいけばいいですし、失敗から学んでそれを次に活かすことが出来れば、以前の失敗は失敗ではなくなるかもしれません。
時に、かっこ悪い失敗をしてしまったとしてもそれは自分自身の捉え方次第です。
「わたしまだまだ伸びしろあるじゃん~!」と前向きに捉えるか、「失敗してしまう自分はダメだ…」とマイナスに考えるか…。
失敗が嫌だ…とかそういうところでなく、もっと深い部分で勝負できる人でありたいですね。
どんな人間でありたいかを考える
自分自身がどんな人でありたいか、何を大切にして生きていきたいかを考えると自分の中の軸がはっきりとして自信に繋がります。
わたしは「失敗したり間違えてもいいからそこから学び、年齢を重ねるごとに深みのある経験豊富な味のある人間になりたい」と思っています。
自分の意思が決まれば、後はその想いを胸に突き進むのみです。
さいごに…
以上、【ヴァイオリンでイップスに!?】どのような症状が?どう対処した?イップスの経験から学んだことでした。
わたし自身の経験やそこから学んだことについてつらつらと述べてきましたが、これはわたしの場合であって、誰しもに共通することではないかもしれません。
他人の考えを参考にすることは出来ても、本当に自分の中で腑に落ちないとただただ言葉が頭上を通り過ぎるだけになるかと思います。
心をコントロールすることは一筋縄ではいかないところもありますが、時間や経験が問題を少しずつ解消してくれることもあるので、長い目でゆっくりと心をほぐしていきたいものですね。
この記事がどなたかの心を少しでも軽くするきっかけになったら幸いです…♩
「ヴァイオリンを始めてみたいな」という方はこちらの記事も合わせてご覧くださいね。
その他ヴァイオリンに関する別記事も参考になりましたら幸いです。
楽器が弾けることで人生の楽しみが増えるので、
ヴァイオリンに興味がある方はぜひ一歩踏み出されてくださいね♩
ではまた~♡
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